トウホクノウサギは、国内に分布しているニホンノウサギの亜種で、東北地方と本州の日本海側に分布している。 形態や生態などは他のニホンノウサギによく似ているが、後肢はやや長いとされている。 また、毛色は、夏毛では褐色や灰褐色で、冬毛はふつう白色になるが、耳の先は黒っぽいままになっている。 トウホクノウサギは、ほかのニホンノウサギのように、丘陵から山地にかけての草地や森林などに生息し、里山の農地近くにも姿を見せることがある。 普段は単独で生活していて、昼間は岩穴や木の洞、藪の中などで休んでいて、主に夕方と夜明け近くに活動する。 草食性で、草類や木の葉などを食べるが、冬季には小枝や樹皮などを食べる。 繁殖期は3~10月頃で、特定の繁殖形態はなく、雌も複数の雄と交配し、この間に3~5回出産する。 妊娠期間は45日程で、1産1~4子、平均すると2子を出産する。 生まれたばかりの子どもは、目が開いていて、毛も生えている。 1週間ほどで草などを食べはじめ、ひと月ほどで離乳し、8~10ヶ月程で性成熟する。 外敵はキツネやテン、ワシなどの猛禽類で、野生での寿命は3~4年程度と言われている。 トウホクノウサギを含むニホンノウサギは、かつては里山近くでもよく見られ、食用や毛皮を目的とした狩猟も行われてきたが、近年の森林開発などによる生息地の減少、農作物やスギなどの苗木を食べる害獣として駆除されたこともあり、生息数は減少している。 このほか、ニホンノウサギには、本種を省き ・キュウシュウノウサギ(Lepus brachyurus brachyurus) 本州・太平洋側や四国、九州 ・サドノウサギ(L. b. lyoni) 佐渡島 ・オキノウサギ(L. b. okiensis) 隠岐諸島 の3亜種が知られている。 しかし、これらは主に毛色や後肢の長さに基づいているが、毛色の変化は日照時間や気温によって変化することなどから、亜種の再検討も提唱されている。 ウサギ科の動物へ / このページの先頭へ |
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トウホクノウサギ