ミケリスは東南アジアに分布する中型のリスの仲間で、耳は小さく、体毛は密生しているが、特に柔らかいという事でもない。 しかし、ミケリスの学名にある「Callosciurus」とは「美しいリス」の意味で、体毛はふつう黒色、白色、橙色の3色ではっきりと分けられていて、とても美しい動物として知られている。 (尚、「prevosti」は人の名前によっている) 尾はかなり長く、体と同じ長さほどあるが、この長い尾は樹上などでバランスを取るのに役立っている他、尾の動きによって仲間同士のコミュニケーションを取る役目も果たしている。 タイ南部からマレー半島、インドネシアのスマトラ島、ボルネオ島、その周辺の島嶼部などの森林地帯に生息し、ほとんど樹上で生活している。 地上に降りることは少なく、木の洞を利用したり、木の葉や小枝などを使って、樹上に巣をつくる。 普段は単独で生活していて、主に樹木の中層から上層部で、イチジクなどの果実や木の実・芽・茎などを主に食べるが、雑食性で、時には昆虫や鳥の卵などの動物性のものも獲って食べる。 昼間に活動し、特に早朝と夕方には活発に活動する。 動きはとても敏捷で、樹上でもかなり素早く動き、ミケリスは樹上性の哺乳類の中ではもっとも敏捷と言われている。 その動きは活発でよく目立つが、ミケリスの鮮やかな三色の色合いは一種の保護色となっていると思われ、樹木の間などで一度見失うと、再び探し出すのに時間がかかってしまう。 繁殖は1年を通して見られ、1年に1~2回繁殖するが、決まった繁殖期はない。 妊娠期間は40~48日程で、普通は1産2~3子だが、4子を出産することもある。 生まれたばかりの子どもは体重16g程度で、45日程は授乳期間がある。 雌雄共に1年程で成熟し、野生での寿命は8~10年と言われているが、飼育下では17年が記録されている。 外敵は大型のヘビやワシなどの猛禽類が知られているが、ほかにも多くの捕食者がいると考えられている。 ミケリスは、現在のところ絶滅などが危惧される状況ではないが、生息地が油ヤシなどの農耕地に開発されるなどして減少しているため、今後の生息数に影響を与える可能性が懸念されている。 リス科の動物へ / このページの先頭へ |
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ミケリス