アラビアオリックスは、アラビア半島などの砂漠地帯や乾燥した平原などに生息しているが、オリックスの中では最も体が小さい。 大きいものでは体長2.3m、体重は200kg程のものも見られるが、平均すると、成獣の雄でも体高は1m程度しかない。 幼獣は全身が黄褐色の体毛で覆われているが、成長するにつれて、全身が白色や灰色を帯びた白色となる。 四肢の先は濃い茶色で、顔に見られる斑紋や尾の先も濃い茶色をしている。 また、耳は大きい。 角は雌雄共にもっていて、長さは普通70cmだが、大きい固体の長いものでは1.5m近くにもなるものも見られる。 この角は、真横から見ると重なって1本に見えることから、アラビアオリックスはユニコーンのモデルだとも言われている。 一見してシロオリックスに似ているが、アラビアオリックスの角はあまり湾曲せずに、ほぼ真っ直ぐ上方にのびている。 また、シロオリックスの角は先に行くほど左右に開いていて、平均すると長さも長い。 アラビアオリックスは砂漠地帯やその周辺などに生息しているが、その過酷な条件下で生活するため、無駄なエネルギーを使うことはなく、争いもめったにすることはない。 日差しの強い日中などは、樹木の下に浅いくぼみを掘って休んでいるが、木陰を仲間で分けあっている姿が見られる。 普通はあまり大きな群れをつくることはなく、1頭の雄と複数の雌、比較的若い個体からなる10頭位までの群れで生活している。 他の若い雌雄はそれぞれ別の群れをつくっているが、若い雄は単独で生活するものも見られる。 日中に活動し、主に早朝や夕方に草類や木の芽、地下茎や根、果実などを食べるが、アラビアオリックスは植物を求めて移動する生活をしている。 行動範囲は100~300k㎡程で、1年半程で3000k㎡程度の範囲を移動するとも言われているが、アラビアオリックスは遠くからでも降雨の量が分かると考えられていて、雨後に育った新鮮な植物を求めて、一度にかなりの距離を移動することもある。 かつてはイラクやシリア、ヨルダンやイスラエル、シナイ半島などの他、アラビア半島にも広く分布し、時には100頭を超える群れをつくることもあったと言われている。 しかし、角や毛皮を目的とした乱獲などで、野生のものは既にほとんどの地域で絶滅したと考えられている。 現在の生息数は推定で1000頭程と言われていて、国際保護動物に指定されているが、そのほとんどはヨーロッパバイソンのように、動物園などの飼育下で繁殖されたものが再び野生に戻されたものである。 イスラエルやオマーン、ヨルダン、サウジアラビアなどに再導入され、バーレーンやカタールなどにも導入されているが、現在、アラビアオリックスは国際自然保護連合(IUCN)の保存状況評価によって、絶滅危惧種(VU)としてレッドリストに指定されている。 また、繁殖の時期や間隔は栄養状態や食糧事情などによって左右されると考えられているが、条件がよければ、雌は1年に1回出産すると言われている。 オマーンやヨルダンに導入されているものは10~5月の間に出産が多く見られ、妊娠期間240日程で、普通は1産1子を出産する。 子どもは4ヶ月を過ぎる頃には離乳し、雌は2年半ほどで性成熟する。 飼育下での寿命は15~20年程度と考えられている。 尚、シロオリックスも生息数が減少しているが、野生のものは既に絶滅してしまっていて、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストでは、野生絶滅種(EW)に指定されている。 ウシ科の動物へ / このページの先頭へ |
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アラビアオリックス