バーバリシープはヒツジとヤギの中間的な動物で、あごひげや皮下線がないこと、角の形などはヒツジに似ているが、眼下線と蹄間線がないところなどはヤギに似ている。 ヒツジの中では大型の部類に入り、雄では体重が140kg程になるものも見られる。 雌はそれよりもかなり小さく、大きくても65kg程度である。 バーバリシープはモーリタニアからモロッコ、リビアを経てエジプト、スーダンからマリ北部など、アフリカの北部に分布していて幾つかの亜種が知られているが、毛色は明るい茶色で、腹部や四肢、あごなどは白っぽい。 また、あごから首にかけてと、前足の上部には長いたてがみ状の毛が見られるのがバーバリシープの特徴で、ドールシープやムフロンなど、他の野生ヒツジには見られない。 角は下に巻き込むように外側に向かって伸び、雌のものは小さいが、角は雌雄ともにある。 雄の角は長さが80cmを超えるものもあり、なかなか見事である。 所謂サハラ砂漠にある岩の多い、水の乏しい山地などで生活し、普通は1頭の雄を中心にした10~20頭程の群れをなして生活している。 主に草や木の葉、果実などを食べるが、日中は岩の洞や岩陰などで暑さを避けて過ごし、早朝や夕方などから採食に出かける。 水があればよく飲むが、バーバリシープは乾燥した土地によく適応していて、水はかなりの期間飲まなくても過ごすことができる。 毛色は、岩場などでは保護色の役目を果たしていると思われ、ヒョウやカラカルなどの外敵などに出会うと、じっと動かずに、周囲の景色に溶け込むようにして身を守る。 しかし、バーバリシープはかなり急な岩場の斜面も容易に移動することができ、逃げる時は崖や岩場を巧みに駆け抜けて、2m程の段差のある崖なども駆け上がって逃げてしまう。 雄同士が繁殖期などに争うときは、角をつき合わせるだけでなく、絡ませて争うこともする。 繁殖期には地域によって差があるが、ふつうは9~11月に多く見られる。 妊娠期間160日程で、ふつう1産1子、希に2子を出産する。 子どもは3~4ヶ月ほど授乳され、雌は1年半ほどで性成熟する。 野生での寿命は10年程度、飼育下での寿命は15~20年程と考えられている。 バーバリシープは狩猟などの目的で、アメリカのテキサス州やニューメキシコ州などにも移入されているが、自然分布域においては個体数が減少している。 現在、バーバリシープは国際自然保護連合(IUCN)の保存状況評価によって、絶滅危惧種(VU)としてレッドリストに指定されているが、更なる生息数の減少も懸念されている。 ウシ科の動物へ / このページの先頭へ |
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バーバリシープ