オオバタンはインドネシアだけに分布しているインコ類で、全体にピンク色を帯びたような白色をしている。 飼育下ではよく馴れ、知能も高く、簡単な言葉なら発することもできる。 分布 オオバタンはインドネシアの固有種で、アンボン島とセラム島など、インドネシア東部のセラム諸島だけに分布している。 ハワイ州のオアフ島にも少数が生息しているが、これは導入されたもので、元来の自然分布ではない。 形態 インコ類の中では大型で、全長は40~50cm程もあり、カラスほどの大きさがある。 大きいものでは体重が1kgほどのものも見られ、嘴は大きくて鉤状に湾曲し、黒っぽい色をしている。 体は全体に白色や淡いピンク色のような色合いで、頭頂の内側だけが赤っぽい色をしている。 この頭頂部の羽毛は後方へ伸びる冠羽になっていて、普段はおさまっているが、興奮したりすると逆立て、赤い部分がはっきり見える。 雌雄ともに同じ色をしていて、目の周りも白いが、雄の目は黒っぽいが、雌では暗褐色のような色をしている。 また、足指の2本が前に向いているが、2本は後ろ向きについていて、木の枝などをつかみやすくなっている。 生態・生活 オオバタンは平地から丘陵地、低山地にかけての森林地帯に生息していて、ペアや、その子どもたちからなる小さな家族群で生活している。 大きな群れをつくることはなく、木の実や種子、果実などを食べるが、昆虫類なども食べる。 丈夫な嘴で硬いココナッツの実も割ってしまい、時には農作物に被害を与えることもある。 早朝や夕方には活発に活動し、野生下では警戒心が強いと言われているが、飼育下ではよく馴れ、知能も高く、簡単な言葉なら発することもできる。 繁殖・寿命 繁殖期は12月から翌年の3月頃で、巣は背の高い樹木の樹洞につくられる。 雌は1~3個ほどの卵を産むが、ふつうは2個を産卵し、抱卵は雌雄によって行われる。 卵は28~30日程で孵化するが、ヒナが自立するまでの13~15週程の間も雌雄によって世話が行われる。 野生下での寿命は分かっていないが、飼育下での寿命は大変長く、92年の記録が残されている。 平均すると60~70年と言われているが、それでもかなり長い寿命をもっている。 保護状況・その他 オオバタンは、かつてはセラム諸島を含むモルッカ諸島の全体に分布していたと言われているが、観賞用として人気があることから、多くの個体が乱獲され、生息数が大きく減少した経緯がある。 現在も違法な捕獲や生息地の減少などによって生息数は減少していて、セラム諸島でも、以前はサバルア島やハルク島にも生息していたが、現在では見られなくなってしまっている。 現在、国際自然保護連合では絶滅危惧種(VU)に指定しているが、ココナッツ畑を荒らす害獣として駆除されることもあり、更なる個体数の減少が心配されている。 尚、オオバタンには亜種は確認されていない。 インコ科の鳥へ / このページの先頭へ |
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オオバタン
Salmon-crested cockatoo