アカシカさんのプロフィール |
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アカシカはヨーロッパや北アフリカなどに分布している大型のシカで、二ホンジカとよく似ている。 しかし、二ホンジカとは別種で、二ホンジカに比べると体はかなり大きい。
アカシカの分布域・生息環境 アカシカはイギリスを含むヨーロッパ各地からトルコやカスピ海周辺、イラン北西部にかけて広く分布しているほか、モロッコやアルジェリア、チュニジアなどの北アフリカの一部にも分布している。 アフリカ大陸に生息する唯一のシカとして知られていて、平地から山地の開けた森林地帯に生息している。 また、アカシカはアメリカ合衆国やカナダ、オーストラリアやニュージーランドなどのほか、ペルーやチリ、アルゼンチンなどの南アメリカにも導入されていて、食料や狩猟の対象になっている。 アカシカの大きさ・特徴 アカシカは大型のシカで、一見すると二ホンジカによく似ているが、二ホンジカに比べるとかなり体が大きい。 幾つかの亜種が知られているが、平均した雄の体長は175~250cm、体重は160~240kg程もある。 しかし、雌はかなり小さく、体長160~210cm、体重120~170kgほどで、体は雄の方が大きい。 また、中央ヨーロッパのカルパティア山脈に分布する亜種では、大きい雄では体重が500kg程にも成長するものが見られ、ヒグマほどの重さがある。 一方、クリミアからイラン北西部などのものも体が大きいが、コルシカ島などに分布しているものは体重80~100kgほどの重さしかなく、亜種によって大きさにはかなりの差がある。 しかし、いずれもがっしりとした体つきをしていて、名前のように、夏毛はふつう赤褐色をしているのが特徴で、冬季は灰褐色に変わり、毛も長くて厚いものになる。 臀部には白や黄色っぽい大きな斑紋があり、体には白斑などはないが、個体によっては夏毛の背中に斑があるものも見られる。 角は雄だけがもっていて、長さは1m程にもなる。 この角は枝角で、亜種によってやや形状に違いが見られるが、大きいものでは長さが1mを超え、5kgほどの重さがある見事なものも見られる。 角は冬の終わりには抜け落ち、翌年の春には新しい角が成長をはじめる。 また、アカシカは反芻動物で、胃が4室に別れている。 アカシカの生態・生活 アカシカは開けた森林地帯に生息していて、草原や河川周辺の雑木林などでも見られる。 平地から標高の高い山地まで見られるが、密な森林は避ける傾向がある。 広葉樹林に多く見られ、雌は年長の雌をリーダーとした群れで生活していて、群れにはその子どもたちも含まれている。 雄は繁殖期以外は単独で生活することが多いが、雄同士の群れをつくっていることもある。 日中に活動し、ほかのシカ類のように草や木の芽、木の葉などを食べるが、早朝と夕方遅くに活発に活動し、休んでいるときは反芻していることが多い。 また、夏には50頭ほどの大きな群れをつくることもあり、標高の高いところで生活しているが、冬には標高の低いところへ降りてきて、群れも小さくなる。 アカジカは嗅覚、聴覚、視覚のいずれも優れていて、鳴き声も様々なものをあげる。 外敵はハイイロオオカミやヒグマなどで、危険を感じると大きな鳴き声あげて仲間に知らせ、時には角や前足を蹴りだして反撃することもある。 成獣は体が大きく襲われることは少ないが、幼獣はオオヤマネコなどに襲われることもある。 アカシカの繁殖・寿命 アカシカの繁殖期は9~10月頃で、この時期の雄は、雌をめぐって激しく争う様子が観察される。 優位な雄は縄張りをつくり、複数の雌とハーレムを形成する。 ハーレムは、ふつう数頭の雌とその1歳の子どもから形成されていて、繁殖は一夫多妻で行われる。 雌の妊娠期間は8~8ヵ月半ほどで、翌年の5~6月頃に、1産1~2子、ふつうは1子を出産する。 生まれたばかりの子どもの体重は15~16kg程で、多くのシカ類と同様、体には斑が見られる。 出産は群れから離れたところで行われ、母親と子どもは2~3週間ほどは群れから離れて生活していて、その後群れの中に入って行く。 子どもは2ヵ月ほどで離乳するが、その後も1年ほどの間は親と一緒に生活している。 雌雄ともに1年半~2年ほどで性成熟するが、雄は十分に成長し、ほかの雄と競争することができるようになるまで数年ほどは繁殖しない。 野生下での寿命は10~15年ほどだが、飼育下での寿命は20年を超えることが知られている。 アカシカの保護状況・その他 アカシカは分布域が広いこともあって、全体としては絶滅の恐れはないとされている。 しかし、地域によっては生息地が減少し、それに伴ってアカシカの個体数も減少している。 その為、国際自然保護連合では、亜種によっては絶滅危惧種などに指定している。 尚、アカシカには幾つかの亜種が知られているが、以前は北アメリカ西部や中国などの北東アジアに分布するアカシカも同種(亜種)とされていた。 現在は北アメリカや北東アジアに分布しているアカシカをアメリカアカシカ、或いはワピチと呼び、別種・C.canadensis としている。 また、ニホンジカは北東アジアに分布しているアメリカアカシカ(ワピチ)に近縁とされているが別種である。 この他、アカシカには次の亜種が認識されている。 Cervus elaphus elaphus (Swedish red deer) スウェーデンに分布する基亜種だが、個体数が少なく絶滅危惧種に指定されている C. e. atlanticus (Norwegian red deer) ノルウェーで見られる小型亜種 C. e. barbarus (Barbary stag / Atlas deer) モロッコやアルジェリア、チュニジアなどに分布する小型亜種のひとつで、準絶滅危惧種 C. e. brauneri (Crimean red deer) クリミア半島南部に分布する亜種で、準絶滅危惧種 C. e. corsicanus (Corsican red deer) コルシカ島とサルデーニャ島に分布する小型亜種で、準絶滅危惧種 C. e. hippelaphus (Central European red deer / Common red deer) 西ヨーロッパからバルカン半島にかけて分布する中型から大型の亜種 C. e. hispanicus (Spanish red deer) イベリア半島に分布するアカシカで、西ヨーロッパのものよりも小さく、灰色がかった色をしている C. e. italicus (Mesola red deer) イタリア北部に分布する小型亜種 C. e. maral (Caspian red deer / Maral) 小アジアやクリミアからイラン北西部などに分布する大型亜種 C. e. scoticus (Scottish red deer) イングランドやスコットランド、アイルランドに見られ、西ヨーロッパのアカシカよりも少し小さい。 |
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