動物図鑑・アオダイショウ

アオダイショウ さんのプロフィール



動物図鑑・アオダイショウ

アオダイショウ

有鱗目・ナミヘビ科
学 名 Elaphe climacophora
英 名 Japanese Rat Snake
分布域 北海道から本州、四国、九州
生息環境 森林や雑木林、湿地帯など
全 長 1~2m 程度
体 重 800~1200g 程度

アオダイショウは、北海道から本州、四国、九州まで幅広く分布している中型の蛇で、日本固有種とされている。
国後や奥尻、佐渡、伊豆諸島(大島、新島、式根島、神津島)、隠岐、対馬、壱岐、五島列島、平戸、大隈諸島(ほぼ全島)、口之島など、周辺島嶼にも分布しているが、南西諸島では見られない。
しかし、北海道から九州までに分布する蛇の中では最も大きく、また、身近な蛇としても知られている。

頭部は角張った感じで側扁し、吻端は幅広い。
腹の両側方には強い隆起(側稜・キール)があり、瞳孔は丸くい。
虹彩はオリーブ色がかった褐色のような色合いが多く、大型の個体は雌の方が多い。

体色は、淡い黄褐色から暗褐色のような色合いで、背側は青味を帯びていて、目の後方には黒い縞筋がある。
また、胴にはふつう四本の不明瞭な暗色の縦縞がある。
この縞はシマヘビほどははっきりとしておらず、縦縞が見られない個体もあり、体色も青灰色や暗緑色、黒っぽいものなど、変化がある。

時に白色化したものも見られるが、白色化したシロヘビは「神の使い」として信仰の対象とされることもあり、山口県・岩国市のシロヘビ個体群は、自然下で累代繁殖したシロヘビとして、国の天然記念物に指定されている。

また、幼蛇の体色はふつう灰色で、梯子状の褐色の斑がある。
一見するとマムシに似ているが、これは、毒をもつマムシに擬態して身を守っていると考えられている。
しかし、幼蛇の体色にも変化があり、幼蛇でも縦縞をしているものも見られる。

性質は比較的おとなしく、毒ももっていないが、噛まれると、牙に付着していた細菌が体内に入り込むことがあり、この場合は炎症や腫れを起こすことがあるので、ひどい場合は医者に診てもらうほうがよい。

アオダイショウは平野から丘陵地帯、山地までの森林や雑木林、河川敷や湿地帯など、様々な環境に生息していて、農地や人家の近くでも見られる。
また、庭先や人家に浸入することもあり、都市部にある寺社の森などでも見られるが、人と出会わない深い山のようなところではあまり見られない。

昼間に活動し、夜間は岩の隙間や樹洞、地面の穴などで休むが、倉庫や物置などにいることもある。
主にネズミなどのげっ歯類や鳥、鳥の卵などを食べるが、幼蛇はカエルやトカゲなども好んで食べる。
小さい獲物は丸呑みにするが、大きい獲物は体を巻きつけ、相手が弱ったところで丸呑みにする。

地上でもよく活動するが樹上性が強く、しばしば木の上に上っている。
木に上るときは、体を木に巻きつけて上って行くのではなく、腹の両側方にある強い隆起を木に引っかけて上っていく。
この為、アオダイショウはほぼまっすぐに上って行くことができ、鳥のヒナや卵を狙って、鳥の巣を襲うこともある。

泳ぎも巧みで、川の中に潜ったり、用水路などでも見られることがあるが、アオダイショウは気温が下がる冬季には、3~4ヶ月程のあいだ冬眠する。
土の中に潜ったり、岩の下や樹洞などで越冬するが、暖かい地域などでは、活動するものも見られる。
これが、冬を通してのことなのか、一時的な活動かは分からないが、冬でも稀に見かけることがある。

繁殖は5~6月頃に見られ、7~8月頃に、雌は体の大きさによって7~20個程の卵を産む。
卵は45~65日程で孵化するが、ニシキヘビのように卵を抱卵するようなことはない。
寿命は長く、飼育下では17年を超えた記録がある。

外敵はワシなどの大型の猛禽類やタヌキイノシシなどで、幼蛇はシマヘビなどに襲われることもある。
また、危険を感じると尻尾を小刻みに震わせたり、捕獲したときなどは、総排泄腔から青臭い独特な臭いを出す。

アオダイショウは、家禽や卵を食べることから嫌われ者でもあったが、一方では、ネズミなどを食べることから「家の守り神」などとも言われていた。
しかし、身近なヘビであるにもかかわらず、害獣としてのネズミの駆除や生息地の市街化などによって、都市近郊では生息数が減少傾向にある。

尚、八丈島では移入定着している。

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