動物図鑑・シュレーゲルアオガエル

シュレーゲルアオガエル さんのプロフィール



動物図鑑・シュレーゲルアオガエル

シュレーゲルアオガエル

カエル目・アオガエル科
学 名 Rhacophorus schlegelii
英 名 Schlegel's green tree frog
分布域 本州や四国、九州など
生息環境 水田や湿地など
全 長 雄で3.2~4.3cm 程度、雌で4~5.5cm 程度

シュレーゲルアオガエルは、北海道を除く本州や四国、九州、それらの周辺の島々に広く分布しているアオガエルの仲間で、五島列島などにも分布しているが、佐渡や対馬などでは見られない。

名前は、シーボルトが日本で収集した両生類や爬虫類を研究したドイツの学者、ヘルマン・シュレーゲルに由来しているが、日本の固有種で、ニホンアマガエルよりは少し大きい。

体は雌の方が大きく、雄の平均体長が3.5cm程度なのに対して、雌では平均4.6cm程の大きさがある。
吻は尖っていて、前肢に四本、後肢に五本の指がある。
また、各指の先の吸盤は大きいが、水かきはあまり発達していない。

体色は、背側は緑色や黄緑色で、腹側は白い色をしている。
目だった斑などはないが、黄色や黒っぽい色の小さな斑が散在するものも見られる。
また、体色は環境によって褐色に変化する。

一見すると、ニホンアマガエルや斑のないモリアオガエルに似ているが、ニホンアマガエルは黒や暗褐色の筋が吻から眼を通り鼓膜まで見られるが、シュレーゲルアオガエルでは見られない。
吻先も、ニホンアマガエルでは丸くなっていて、鼻孔のところからほぼまっすぐになっているが、シュレーゲルアオガエルの吻先は尖っている。
また、モリアオガエルも黒っぽい筋が見られないが、瞳は赤い色をしていて、シュレーゲルアオガエルでは、瞳は黄色い色をしているなどの違いがある。

シュレーゲルアオガエルは、平野部から山地にかけて生息していて、標高1600m辺りまで見られる。
平野部では水田で、山地では湿地などで多く見られるが、湿った草地や水辺近くの森林や縁などにも生息している。
草木の上にいることが多く、昆虫類やクモなどを食べる。

繁殖期は、分布域が広いこともあり、2~8月と、地域や生息環境などによって幅があるが、多くは4~6月頃に見られる。
この時期の雄は水田や池、沼などに集まり鳴き声をあげるが、ニホンアマガエルよりも小さくて高い声で鳴く。
また、繁殖期の雄の喉は、黒っぽい色になる。

雌は水田の畦や池、沼などの岸に浅い穴を掘って産卵するが、1匹の雌に複数の雄が集まり抱接することもある。
卵は白い泡状の卵塊で、湿地の草むらなどにも産卵することがある。

卵塊は長さ3~10cm程で、この中には200~300個ほどの卵が入っている。
幼生(オタマジャクシ)は卵塊の中で孵化し、降雨によって泡が溶けると水の中へ流れ落ち、水中生活をはじめるようになる。
大きい幼生では5cm近くに達するが、成体へ変態したばがりの体長は15mm程度>
外敵はタヌキキツネ、ヘビなどで、飼育下では5年以上の寿命があると言われている。

このほか、シュレーゲルアオガエルは分布域が広いこともあり、現在のところ絶滅の恐れはないとされているが、地域によっては開発による生息地の減少などにより生息数も減少していて、自治体によっては準絶滅危惧種や絶滅危惧種に指定しているところもある。

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