動物図鑑・ダイアナモンキー

ダイアナモンキー

ダイアナモンキーさんのプロフィール


動物図鑑・ダイアナモンキー
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和 名 ダイアナモンキー
分 類 霊長目・オナガザル科
学 名 Cercopithecus diana
英 名 Diana monkey
分布域 西アフリカ
生息環境 密生した原始林など
体 長 雄で 50~62cm 程度、雌で 42~48cm 程度
尾 長 雄で 75~90cm 程度、雌で 52~73cm 程度
体 重 雄で 5~7kg 程度、雌で 4~5kg 程度
IUCNによる保存状況評価 / 絶滅危惧種(EN)
ダイアナモンキーはアフリカに分布している中型のオナガザルで、毛色は白と黒にはっきりと分かれている。

額には三日月形の白い毛が見られるのが特徴で、尾は体長よりも長く、樹上でのバランスをとるのに役立っている。

●分布域・生息環境
●大きさ・特徴
●生態・生活
●繁殖・寿命
●保護状況・その他

●写真ページ


ダイアナモンキーの分布域・生息環境
ダイアナモンキーは西アフリカに分布しているが、その範囲は、ギニア南東部の沿岸部からシエラレオネ、リベリア、コートジボワール西部などで、分布域は限られている。

原生林や河畔林などの森林地帯に生息していて、低地から標高1300m辺りまで見られる。


ダイアナモンキーの大きさ・特徴

ダイアナモンキーは、雄で体長50~62cm程度、雌で42~48cm程度と、雄の方がやや体が大きいが、雌雄共に体つきはほっそりとしている。

四肢も細くて長いが、尾は黒くて体長よりも長く、樹上でバランスをとるのに役立っているが、地上を歩くときは尾をかかげるようにして歩いている。

毛色は黒い部分と白い部分がはっきりと分かれているが、黒っぽい部分は暗灰色のような色合いにも見え、背中や後肢の後ろなどは赤褐色をしている。

頬から胸、前肢の内側などは白っぽく、後肢にも白い毛が筋のように生えている。

また、顔は黒いが、額にも白い毛が見られるのがダイアナモンキーの特徴になっている。

名前は、額のある白い部分が三日月形に見えることから、「ダイアナ(ローマ神話の月の女神)」と名付けられているが、女神・ダイアナがもっている弓の形に似ているからとも言われている。


ダイアナモンキーの生態・生活

ダイアナモンキーは森林地帯に生息していて、ほぼ完全な樹上生活をしている。

地上に降りることはめったに見られず、15~20m程の高さの樹冠部で過ごすことが多い。
背の高い樹木が密生した原始林を好み、二次林では見られないとも言われている。

群れをつくって生活していて、普通は1頭の成熟した雄、複数の雌とその子どもたちを含む、15~20頭程で生活している。

多ければ30頭ほどの群れをつくることもあるが、雌は成熟しても同じ群れの中に留まるので、ダイアナモンキーの群れは母系と言える。

また、雌の序列は、母親の序列を子どもが継承し、優位な雌の子どもは劣位の雌よりも優位にあると言われている。

昼間に活動し、季節によってさまざまなものを食べるが、主に果実や種子、木の葉や花、樹脂などを食べる。

しかし、雑食性で、昆虫や無脊椎動物なども食べ、多くの時間を採餌に費やしていて、活動時間の半分近くは採餌活動をしている。

ダイアナモンキーの行動範囲は食糧事情や群れの大きさなどによって変化があるが、およそ0.5~1平方km程と言われていて、この中を1日あたり1~1.5km程を移動すると言われている。

また、行動範囲は縄張りにも結び付いているが、ダイアナモンキーは縄張り意識が強く、他の群れと出会うことは少ないが、出会ったときには縄張りを争う。

この時、実際に争うのは雌や若いもので、雄は直接争いに加わることはなく、大きく咆哮し、木の枝をゆすったり跳び上がったりして相手を威嚇する。

一方、ダイアナモンキーの生息地には、ショウハナジログエノンキャンベルモナモンキーなどが同所的に生息しているが、他の種のサルとは争うことなく一緒にいることがある。

これは、その時期に食べるものが違っていて、競合しないからとも言われているが、外敵に対して協力し合って身を守っているとも考えられている。

外敵はヒョウチンパンジー、大型のヘビやワシなどの猛禽類で、外敵が近づくと大きな声をあげて危険を知らせるが、協力して警戒することによって、互いにいち早く危険が近づいていることを知ることができる。

また、ダイアナモンキーは他の霊長類の警戒音にも敏感だが、異なる外敵に対して、特定の警戒行動をとることが観察されている。

ヒョウやワシなどは、相手に気付かれないよう静かに近寄ってくるが、このような外敵に対しては大きな警戒音を発する。

これによって、ヒョウなどは相手に知られたことによって静かに近寄っていくことができず、狩りをあきらめることがある。

また、チンパンジーなどは鳴き声によって獲物の位置を探し出すため、チンパンジーに対しては居場所が知られないよう、静かに退避行動をとると言われている。

この他、ダイアナモンキーは夜間は樹冠近くで休むが、巣をつくるようなことはしない。


ダイアナモンキーの繁殖・寿命

ダイアナモンキーの繁殖のピークは7月頃と言われていて、シエラレオネの生物保護区での出産は12~2月の乾季に多く見られる。

繁殖は一夫多妻で行われ、雌は妊娠期間5ヶ月ほどの後、1産1子、稀に2子を出産する。

子どもはよく発達した状態で出生し、目は既に開いていて、親にしがみつくようなことができる。
子どもは半年ほどで離乳し、その後は自立した生活を送るようになる。

雌雄共に3年程で性成熟し、この頃には、雄は群れを離れていくが、雌はそのまま出生した群れに留まっている。

野生での寿命は20年程度だが、飼育下では30~35年程の寿命があることが知られていて、雌雄ともに寿命は長い。


ダイアナモンキーの保護状況・その他

ダイアナモンキーは美しい霊長類だが、森林伐採などによる生息地の減少に伴い、生息数は減少している。

近年まで、国際自然保護連合(IUCN)によって、絶滅危惧種(II類・VU)に指定されていたが、現在は、より絶滅が心配される絶滅危惧IB類(EN)に指定される状になってしまっている。

ダイアナモンキーは分布域が限られていることがあるほか、食用としての狩猟も行われていて、更なる生息数の減少も心配されている。

この他、これまでダイアナモンキーの亜種とされていたふつの亜種C. d. roloway と C. d. dryas は、現在、いずれも独立した種として扱われている。

・Roloway monkey (Cercopithecus roloway)
以前の C. d. roloway で、ササンドラ川からガーナのプラ川までに分布

・Dryas monkey (Cercopithecus dryas)
以前の C. d. dryas で、Salonga monkey、Ekeleなどとも呼ばれていて、コンゴ民主共和国に分布している

しかし、これらの2種も生息数が減少している。
いずれも絶滅が心配されていて、C. roloway は絶滅危惧種・ENに、C. dryas は更に個体数が少なく、もっとも絶滅の恐れがある絶滅危惧種・CRに指定されている。

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