アオバネワライカワセミは、オーストラリアではよく知られている鳥のひとつで、名前のように、翼の下部には目立つ青い部分がある。 分布 アオバネワライカワセミは、ニューギニア南部とオーストラリアに広く分布している。 ただ、オーストラリアでは、西オーストラリア州のポートヘッドランドとブルームの間のエイティマイルビーチエリアでは見られないとされている。 形態 全長は40cm程で、ワライカワセミよりは小さいが、国内で見られるカワセミやアカショウビンなどよりもずっと大きい。 頭部は大きく、白っぽい色をしているが、細い茶褐色の筋模様がある。 嘴も大きくて長く、下部はピンク色を帯びているが、上部は暗褐色や暗い灰色のような色をしている。 背側は暗褐色のような色だが、名前のように、翼には青い部分があってよく目立つ。 腹側はクリーム色のような色で、波模様のように見える縞がある。 また、体は雌の方がやや大きく、雄の尾は青いが、雌では尾羽に暗色の縞が見られる。 生態・生活 開けた森林地帯や湿地、河辺などに生息していて、サトウキビ畑などの耕作地にも生息している。 ペアやその家族群で生活していて、大きい群れは10~12羽ほどになることもある。 日中に活動し、昆虫類やトカゲ、カエルなどのほか、ザリガニやサソリ、クモなどの節足動物などを食べる。 また、魚や小鳥、ネズミなどの小型の齧歯類もとらえ、季節に応じて様々なものを食べる。 ほかのカワセミ類と同様、獲物は木の枝や電線などにとまって探し出し、急降下して獲物を捕らえたのち、再び樹上などに戻って食べる。 脊椎動物などは、木の枝に打ち付けたりして柔らかくしてから飲み込むが、アオバネワライカワセミは毒ヘビも食べることができることが知られている。 鳴き声は明け方と夕暮れ時に聞かれることが多く、コミュニケーションや行動範囲を主張するために、さまざまな鳴き声を出すと言われている。 外敵はタカやフクロウなどの猛禽類で、卵やヒナはオオトカゲやニシキヘビ、フクロネズミなどに襲われることもある。 また、外敵ではないが、飛行速度が遅いため、地方の道では自動車に挽かれたりすることもある。 繁殖・寿命 繁殖期は9~12月頃で、遅いと1月に見られることもある。 繁殖は一夫一婦で行われ、その関係は一生の間続くと言われている。 巣は樹上の高いところにある洞などにつくられるが、空洞になったシロアリの巣などを利用することもある。 雌は44×35mm程の大きさの卵を2~5個、ふつうは3個ほどを産卵し、抱卵は主に雌によって行われる。 卵は26日前後で孵化するが、ヒナの目は開いておらず、羽毛も生えていない。 羽毛は一週間ほどで生えはじめ、10日を過ぎた頃には目が見えるようになる。 ヒナはひと月を過ぎた頃には巣立ちするが、その間は雌雄のほか、家族群のものも育児を手伝う。 また、巣から離れた後もひと月半から二か月ほどの間は、親から狩りの方法などを学ぶために一緒に生活している。 寿命は長く、飼育下では20年ほどの寿命があるとされていて、野生下でも、長いものはこれと同じほどの寿命があると言われている。 保護状況・その他 詳しい生息数などは分かっていないが、アオバネワライカワセミはオーストラリアなどに広く分布していて、現在のところ、絶滅の恐れはないとされている。 しかし、開発による生息地の減少などは心配されている。 尚、アオバネワライカワセミには次の亜種が提唱されているが、オーストラリアのものを一種として、ニューギニアのものとの2種と提唱されることもある。 Dacelo leachii leachii オーストラリア・クイーンズランド州のブリスベン辺りから西オーストラリア州のキンバリー地域に分布する基亜種 D. l. cervina オーストラリアのノーザンテリトリーにあるメルビル島と対岸付近の本土 D. l. cliftoni オーストラリア北西部のピルバラ地域とハマーズリー地域 D. l. intermedia ニューギニア南部に分布 カワセミ科の鳥へ / このページの先頭へ |
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アオバネワライカワセミ