ヒワコンゴウインコは中米辺りに分布している大型のインコで、ほとんど樹上で生活している。 全体に緑色をしている綺麗な鳥で、長い寿命をもっている。 分布 ヒワコンゴウインコは、中米のホンジュラスからパナマを経て、コロンビアやエクアドルなどに分布している。 低地から山地にかけての森林地帯に生息していて、分布域では留鳥として一年を通して見られる。 形態 インコ類の中では体は大きく、尾羽も長いので、全長は国内でも見られるダイシャクシギやチュウサギなどよりも大きい。 体は所謂ヒワ色で、全体に緑や黄緑色をしている。 尾羽は水色で赤い帯が見られ、他のコンゴウインコと同様、大きな鉤状の嘴をもっていて、黒っぽい色をしている。 また、嘴の付け根は鮮やかな赤色で、顔はピンク色で、黒くて細い筋が幾筋もはしっている。 鮮やかな鳥だが、生息地では保護色になっていて、樹木の中では見つけにくくなっている。 足も太くて、前方を向いた2本の足指と後方を向いた2本の足指をもっているが、これも木の枝などをしっかりとつかむことができるようになっている。 生態・生活 ヒワコンゴウインコは低地から丘陵地、低山地の森林地帯に生息していて、普段はペアや、その子どもたちからなる小さな家族群で生活している。 大きな群れをつくることはなく、標高1500m辺りまで見られるが、垂直方向に季節移動しているとも言われている。 時には河口近くのマングローブ林でも見られ、木の実や種子、果実などのほか、球根や木の根、花や樹皮なども食べる。 大きくて丈夫な嘴は、硬い木の実を割るのに適していて、季節によって様々なものを食べている。 危険を感じると頭上を旋回し、大きな鳴き声で仲間に知らせるが、ヒワコンゴウインコは体が大きく、樹上生活をしていることもあり、人以外にはほとんど外敵がいないとも言われている。 繁殖・寿命 繁殖期は地域によって異なり、コスタリカでは12月から翌年の6月頃、エクアドルでは8月から翌年の10月頃に見られる。 巣は背の高い大木の樹冠近くの洞が利用され、雌は2~3個ほどの卵を産み、26~29日程のあいだ抱卵する。 孵化したばかりのヒナは体重23g前後だが、孵化後12~13週を過ぎるころには飛べるようになる。 18~20週ほどで独立するが、ヒナはその後も1年近くは親と一緒に生活している。 雌雄ともに6~7年ほどで完全に成熟し、寿命は長く、飼育下では50~60年、長いものは70年ほどの寿命をもっている。 保護状況・その他 かつては分布域に広く生息していたと言われているヒワコンゴウインコだが、近年は生息数が減少している。 主な原因は開発による森林の伐採や狩猟などで、東南アジア全体に分布しているオオサイチョウなどのように、ヒワコンゴウインコは背の高い古木に営巣するため、樹木の伐採は繁殖率にも影響を及ぼしている。 現在、国際自然保護連合(IUCN)では、もっとも絶滅が危惧される絶滅危惧種(CR)に指定しているほか、分布域の各国でも保護活動が行われていて、生息数の回復が試みられている。 尚、エクアドルだけに生息しているものを別亜種とする場合があるが、これについては今後の研究が待たれる。 インコ科の鳥へ / このページの先頭へ |
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ヒワコンゴウインコ