シロビタイキツネザル

シロビタイキツネザル さんのプロフィール


動物図鑑・シロビタイキツネザル

シロビタイキツネザル (シロビタイレムール)

霊長目 キツネザル科
学 名 Eulemur albifrons
英 名 White-headed lemur / White-headed brown lemur / White-fronted brown lemur / White-fronted lemur
分布域 マダガスカル島
生息環境 低地の湿地林や熱帯雨林など
体 長 39~42cm 程度
尾 長 50~54cm 程度
体 重 2~2.6kg 程度
IUCNによる保存状況評価 / 絶滅危惧種 (EN)

シロビタイキツネザルは雌雄ともに似ているが、雄の顔の周りの毛は白っぽく、これが名前の由来になっている。
中型のキツネザルで、他のキツネザルと同様、マダガスカルの固有種とされている。


分布
シロビタイキツネザルはマダガスカルの北東部に分布していて、その範囲は島の10パーセント程に限られている。
主に低地で見られるが、標高1600m辺りまでの湿地林や熱帯雨林などに生息している。


形態
目から鼻にかけては裸出していて黒っぽいが、全身が長くて厚い毛に覆われている。
尾は体長よりも長く、やはり厚くて長い毛に覆われている。
目はオレンジ色や赤味の強いオレンジ色のような色をしていて、四肢にはいずれも5本の指がある。

体色はふつう暗い褐色や濃茶色などをしているが、喉から腹部にかけては淡い色をしている。
また、雄の顔の周りの毛は白っぽく、これが名前の由来になっている。
雌も、僅かに顔の周囲が淡く感じられるが、全体に体と同じような色をしている。

一見するとブラウンキツネザル(チャイロキツネザル・Brown Lemur / Eulemur fulvus)とはよく似ていて、以前はチャイロキツネザルの亜種(Eulemur fulvus albifrons)とされていたが、現在は独立種とされている。


生活・生態
ふつうは熱帯雨林の樹冠の頂部で見られ、ほとんどの時間を樹木の上で過ごしている。
地上では四足歩行するが、四肢には把握力があり、活発に樹上を動き回ることができる。
運動能力は高く、長い尾も樹上でのバランスをとるのに役立っている。

跳躍力間にも優れていて、シロビタイキツネザルは体長の6倍ほどの距離を跳ぶと言われていて、かなり距離のある樹間や枝の間も巧みに飛び移ることができる。

決まった活動時間は見られず、昼夜共にさまざまな時間に活動すると考えられている。
また、3~12頭、平均すると5~7頭程度の群れで生活しているが、特に階層構造は見られないとも言われている。

主に果物や木の葉、花や樹皮、樹液などを食べるが、雑食性で、鳥やその卵のほか、昆虫やムカデ、ヤモリ類なども食べる。
また、時に土壌を食べることが知られているが、これは特定の毒素から身を守る可能性があるのだと考えられている。


繁殖・寿命
一夫一婦や一夫多妻など、交配の様子などは分かっていないが、繁殖期は6月頃とされている。

雌は妊娠期間120日程で、ふつう1産1子を出産する。
子どもは、生後3週間ほどは母親の腹にしがみついているが、3週間が過ぎる頃には、背中に移って移動するようになる。
4~6ヵ月後には離乳し、雌雄ともに1~2年ほどで性成熟する。

外敵は大型の猛禽類やヘビ、フォッサなどが挙げられるが、大型のヘビなどに襲われると群れになって攻撃し、互いに身を守ったりする。

しかし、食料を目的とした違法な狩猟が行われていて、一番の外敵は人とも言われている。

野生下での寿命は20~25年と考えられているが、飼育下では36年のものが知られている。


保護状況・その他
キツネザルの仲間は、国際自然保護連合(IUCN)などから絶滅危惧種の指定を受けているものが少なくないが、シロビタイキツネザルも、現在IUCNから絶滅危惧種(EN)の指定を受けている。

主な原因は、焼き畑農業や樹木の違法伐採、肉を目的とした狩猟などで、国立公園内の特別保護区などでもしばしば違法な狩猟が行われている。

絶滅の危機に瀕した種の国際取引に関する条約(CITES)の附属書Iにも記載されているが、生息域が限られているため、更なる生息数の減少も心配されている。


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