カンムリシャコは東南アジアに分布しているキジ科の鳥で、コジュケイ程の大きさがある。 主に地上で生活しているが、雄の頭部には赤い冠羽があり、それが「カンムリ」の由来になっている。 分布域 カンムリシャコはミャンマー南部からタイ南部、マレーシアやインドネシアのスマトラ島、ボルネオ島など、東南アジアに分布している。 主に低地の熱帯雨林に生息し、森林に依存した生活をしている。 形態 全長は24~28cm程で、コジュケイ程の大きさがあり、ウズラよりは大きい。 体は雄の方が雌よりも少し大きく、羽毛の色は雌雄で異なっている。 雄は全体に暗い藍色のような色合いで、腰から尾にかけては緑色を帯びている。 また、頭頂は白く、名前のように、「カンムリ」のように見える赤くて長い冠羽がある。 一方、雌には冠羽がなく、頭部は灰黒色のような色をしている。 翼は褐色や茶色をしているが、全体に暗い緑色や黄緑色をしている。 また、雌雄ともに目の周りや足は赤いが、雄では目の周りがより鮮やかな赤色をしている。 生態・生活 カンムリシャコは低地の熱帯雨林に生息していて、主に平地や丘陵地で見られるが、地域によっては標高1200メートル辺りにも生息している。 普段は単独やペア、或いは数羽ほどの家族群で生活しているが、餌の多いところでは、時に15羽ほどの群れをつくることもある。 主に地上で生活していて、採餌も地上で行われる。 落下果実や種子、無脊椎動物や昆虫類などを食べるが、イノシシの後について行き、イノシシが食べ残した果実なども食べる。 これは硬い木の実をイノシシが噛み割るから考えられていて、カンムリシャコはテナガザルなどが見られるところでも多いと言われている。 これも、サルが樹上から落とした果実を食べるからだと考えられている。 飛ぶことはほとんどなく、危険を感じると地上を走って逃げることが多い。 しかし、低空を短距離なら飛ぶこともでき、昼間は地上で活動しているが、夜には外敵を避けて樹上で休んでいる。 繁殖・寿命 繁殖は一夫一婦で行われるが、繁殖期は地域によって異なっている。 巣は地上につくられ、地面に窪みを掘り、木の葉などを用いてつくられる。 この巣は外敵などに見つからないよう木の葉を積んで隠されていて、見つけることが困難になっている。 雌はふつう5~6個ほどの卵を産卵し、抱卵は雌によって行われる。 飼育下では、卵は18日前後で孵化するが、ヒナは1週間ほどの間は巣に留まっている。 その間の育児は雌雄によって行われ、飼育下では5年程度の寿命をもっているが、野生下での寿命は分かっていない。 保護状況・その他 カンムリシャコの分布域は広いが、森林の伐採や耕作地の開発などによって生息地が減少していて、生息数も減少している。 現在、国際自然保護連合 (IUCN) では絶滅危惧種(VU)に指定しているが、カンムリシャコは森林に依存した生活をしているので、更なる生息地の減少が心配されている。 キジ科の鳥へ / このページの先頭へ |
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カンムリシャコ