シロイワヤギは北アメリカ特有の大型の偶蹄類で、北アメリカのロッキー山脈や海岸山脈、アラスカ山脈などの高地の山岳地帯に生息している。 体はがっしりとしていて、顔や四肢の先などを省いて、長くて厚い羊毛状の毛で覆われている。 毛色は白色や黄白色をしているが、この体毛は寒冷地での体温の低下をよく防ぎ、-45℃の低温にも耐えることができる。 尾長は10~20cm程度と短いが、雌雄ともに角があり、黒色で後方に向かって伸びている。 この角は雄の長いもので30cm程になり、雌では少し短い。 また、体は雄の方が大きく、ふつうは60~80kg程度、大きいものでも100kg程だが、140kg程になるものも見られる。 雌は少し小さく、概ね55~70kgほどでと言われている。 ところで、ヤギの仲間にはあごひげが見られるが、シロイワヤギにも雌雄共にあごひげがある。 しかし、シロイワヤギは別名・シロカモシカとも呼ばれ、ヤギよりもニホンカモシカなど、カモシカの仲間に近いとされている。 シロイワヤギは、主として山岳地帯の寒冷地を好んで生息しているが、アラスカなどでは雪の多い海岸地帯にも生息している。 山岳地帯で生活しているものは、冬期には標高の低いところに降りてくるが、夏期には3,500mもの高所まで登り、時には5000mものところにも姿を見せると言われている。 また、冬には大きな群れをつくるが、夏では雄はふつう単独で暮らし、雌は子どもなどと共に小さな群れをつくって生活している。 山地の岩場と森林が境をなしているようなところで生活していて、岩の多い地域から離れることはない。 がっしりとした体のわりには岩登りもうまく、60度ほども傾斜している崖も登ってしまう。 このため蹄は丈夫で、強い四肢や肩、首の筋肉をもっている。 草食性で、コケ類やシダ類のほか、草類や木の枝など、季節に合わせて様々なものを食べる。 水分はほとんど食物から取っているが、標高の低いところに降りてくる冬には、ミネラル補給の為の塩舐めをすることが知られている。 これには、森林地帯を通って、数キロメートルほど移動することがある。 また、行動範囲は夏では23平方km程と言われているが、冬にはかなり狭くなる。 外敵にはピューマが挙げられるが、ヒグマやアメリカクロクマ、オオカミ、ボブキャットなどにも襲われることがある。 しかし、シロイワヤギは急峻な岩場で生活しているため、最も危険なものは、外敵よりも春先に起こる雪崩だとも言われている。 繁殖期は10月下旬頃から1月上旬頃で、雌雄共に、ふつうは複数のものと交配する。 雌の平均妊娠期間は170~180日ほどで、1産1~3子、ふつうは1子を出産する。 生まれたばかりの子どもの体重は3.2kg程だが、数時間以内には岩を登ることができる。 子どもは、ほとんどの場合ひと月程で離乳すると言われていて、長くても3~4ヶ月で離乳する。 その後、翌年に母親が出産するまでは一緒にいるが、やがて独立していく。 雌雄共に2年半程で性成熟し、野生での寿命は12~15年、飼育下での寿命は15~20年程度と言われている。 このほか、シロイロヤギは保護動物に指定されていることもあり、現在のところ、絶滅などの恐れはないとされている。 また、シロイワヤギは幾つかの亜種に分類されることがあるが、国際自然保護連合などでは亜種を認識しておらず、亜種はいないとする説が多い。 ウシ科の動物へ / このページの先頭へ |
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シロイワヤギ